テレワーク社員教育……部下との付き合い方を見直すコーチングの大原則

テレワーク社員教育……部下との付き合い方を見直すコーチングの大原則

今年の春頃から各企業でテレワークが導入されましたが、ちょうど新入社員が入社したタイミングということで、その社員教育に苦労している方も多いようです。テレワークに慣れない中で新入社員ときちんと意思疎通するためにも、今回はヒントになりそうなコーチングのスキルをご紹介したいと思います。

コーチングとは自ら「答えを創り出す」をサポートすること

まずは、コーチングとは何かについて、簡単に説明したいと思います。

日本コーチ連盟によると、コーチングでは「答えはその人の中にあるもの」として 捉えています。つまり、「答えを与える」のではなく、相手が自身の力を最大限に発揮して、「答えを自ら創り出す」 ことをサポートすること。そのコミュニケーション技術こそが、コーチングと定義されているのです。

そして、ここでいう“「答えを創り出す」ことをサポートする”こととは、主に“相手が自問自答する機会を作る”ことを指しています。会話の中で気づきのきっかけになる問い、客観的な情報を提供することが、コーチングにおける一つの機会となるわけです。

よく、「最近の若者は納得しないと動かない」と言いますが、まさにコーチングとは、この状況にマッチしたメソッドといえるでしょう。さらに、相手の考える力を鍛えるため、コーチングは企業が今まさに求めている、“自発的に行動するタイプの人材”を育てることにもつながります。

ただし、人材が安心して自ら考えて行動を起こすには、会社や上司への信頼が必要です。その信頼を得るためのコミュニケーション術も、コーチングでは重要な技術となっています。

新入社員とのコミュニケーションに使えるコーチング技術6選

ここまで、コーチングの理念を紹介してきましたが、それを実現するには具体的に何をすれば良いのでしょうか。これには、いくつかのテクニックがあります。例えば……。

【ペーシング】
相手の表情や態度に、自分もペースを合わせるテクニックです。話すスピードや声のトーン、ボリューム、感情、(物理的な)目線の高さなどをそろえることで、相手に安心感を与えます。

【ミラーリング】
相手が飲み物を飲んだら、こちらも合わせて飲み物を飲む……というように、身振りや手ぶり、座り方などを相手とそろえるテクニックです。これにより、相手に親近感を与えることができます。

【バックトラッキング】
いわゆるオウム返し。例えば、「不安なんです」という言葉に、「そうだよね、不安だよね」と返すことで、話をちゃんと聞いていることを伝え、「自分の気持ちを分かってもらえた」という安心感を与えます。

【オープンクエスチョン】
YESかNOのどちらかしか答えが無い質問ではなく、相手に考えて自由回答させる質問をするテクニックです。例えば、「好き」か「嫌いか」を聞くのではなく、「どこが好きか?」を聞けば、その回答を考える中で、相手に新たな気付きを与えることができます。

【未来志向の問いかけ】
問題が起きたときに、事実を確認して言い訳を聞くのではなく、未来に通じるような解決策を聞くというテクニックです。例えば、「何で失敗したの?」ではなく、「どうすれば成功したと思う?」と聞けば、相手に考える機会を与えることができるでしょう。このとき、「一緒に解決策を考える」という共通体験をすることで、親近感を得たり、モチベーションを向上させることも可能です。

【リフレイミング】
上げられた意見について、別の視点に気付かせるテクニックです。例えば、「大ざっぱ」は「小さいことを気にしない」、「感情的」は「嘘が付けない」というように、新たな視点を与えることで、相手を認めやすくなったり、自分の強みを再発見できます。

このように、会話の仕方に気を配れば、相手に安心感を与えたり、新たな視点を与えることができます。これこそが、先に紹介した「コミュニケーションのフォーマット」の一つと言えるでしょう。

若者の承認欲求を満たす“適切なほめ方”とは?

最近では人材育成の現場で、よく承認欲求という言葉を聞くようになりました。部下の心を開き、モチベーションを高めるには、ほめる技術が大事と言えるでしょう。

適切にほめるためには、相手を観察することが大切です。この時、「時間」や「人間関係」、「知識」などに注目すると、相手の強みを理解することができ、それをほめることで彼らの強みに自信をもたせることができます。

そして、1対1ではなく、多くの人の前で相手をほめることも、承認欲求を満たすには効果的です。同僚や取引先などとの会話中に、陰でほめるのも良いでしょう。直接ほめると警戒感を与えてしまうような相手でも、それが人づてに本人に伝わることで、素直に受け止めてくれる可能性が高くなります。

また、ほめる時の言葉遣いにもポイントが。客観的に良さを伝えるのではなく、「すごく〇〇になったよ」などと自分の感想を混ぜることで、より相手が素直にほめ言葉を受け取れるようになるようです。これは、コミュニケーションに「気持ちのやり取り」を求める女性には、特に有効なテクニックだと言われています。

このように会話やほめる技術を磨くことは、新入社員に安心感を与えるとともに、承認欲求を満たすことにつながります。慣れないテレワークでコミュニケーションに苦労している方は、社員教育にコーチングの技術を取り入れてみてはいかがでしょうか。 チャットなどのテキストのコミュニケーションでも活用できますよ。

【参考】
日本コーチ連盟「コーチングとは」
『最新 コーチングの手法と実践がよ~くわかる本』(谷口祥子著)
『Q&Aで納得!人の問題を解決する実践コーチング』(石川和夫著)

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